2013年3月25日月曜日


先日、LIPメンバー全員を対象に、「フィードバックセッション」を実施しました。
その概要は、既に上堀の投稿でご紹介の通りです。

「欠点」だと言われなきゃ直せないなんて!

以前から、年に一度、フィードバックを伝える場を合宿などでもっていましたが、
準備不足と時間不足で消化不良の感があった(と私は思う)ため、
初めて組織的にやってみたという経緯でした。

上堀の投稿は、フィードバックを受けた立場からの感想でしたが、
私は、立場を変えて、フィードバックを伝える側から、所感を書きたいと思います。

☆☆
フィードバックは、概ね、ポジティブなものとネガティブなものに分類できました。
前者は、長所・美点やこのまま伸ばしていってほしい点の指摘。
後者は、短所・欠点や改善していってほしい点の指摘。
今回は、全体的に、ポジティブなフィードバックがより多く集まる傾向がありました。

また、このようなフィードバックを受けた人の反応も、大きく2つのパターンに分かれました。
褒められたことを素直に喜んでモチベーションを高める人と、
改善すべきポイントの指摘が少ないことに対して不満を隠さない人。
先の投稿をみるかぎり、上堀は典型的な後者のタイプのようです。
私の観察する範囲でも、後者が多かったのがとても印象的でした。

私がフィードバックの結果を伝えたある若手メンバーの場合、
積極的なリーダーシップの発揮ぶりを高く評価する意見が多く集まりました。
私は、このフィードバックを伝える前には彼の喜ぶ顔を思い浮かべていましたが…。

彼の感想は、「反省が促される評価をもっと聞きたかった」でした。
「プラスの評価に対してはどう思うの?」と聞いてみたところ、
「褒め言葉は私の行動には影響を与えない」と喝破されました。

な、なるほど…。

厳しい評価を自分の成長の糧にしたいという姿勢は、素晴らしいことです。
でも、ポジティブな評価をもっと吸収すればいいのに、と思ってしまいました。

☆☆☆
褒め言葉をそのまま受け取るのが苦手な人が、日本人にはわりと多いのかもしれません。
良くいえば、謙虚さという美徳の持ち主と言えるのかもしれません。

でも、もったいない。
たとえていうなら、焼サンマの白いお肉だけを食べて、ワタを捨てるようなものです
(=食べれるし、美味しいのに、食べないのは、もったいない)。

これはライフネット生命の社長の出口さんの著書で読んだことの受け売りですが、
人の個性はある面から見れば長所でも、別の面から見れば短所になるようなものなので、
短所を減らして同時に長所を伸ばすことは、難しい。
短所を減らそうとすると、その人の個性が削れて長所もなくなってしまうからです。
ならばいっそ、短所を減らそうとは考えず、長所を伸ばす努力をした方がよい。

更に言えば、チームで仕事をする場合には、個人の短所は必ずしも欠点になりません。
お互いの個性が分かっていれば、足りないところを補完しあえばよいので。
これぞ、人材のポートフォリオ理論。

例えば、LIPの代表の慎泰俊は、時間管理などの細かいタスクが大の苦手で、
たまに彼が何かを仕切るときには私たちをカオスの渦に放り込みます。
彼は、自分のそういった欠点を克服したいと思っているようですが、
私は、このまま「ヌケサク」であり続けてほしいと願っています。
なぜなら、その欠点も、彼の強烈な個性の分かちがたい一部だからです。
彼とは違った強みをもつメンバーが周囲でサポートすれば、それでも問題はないのです。

☆☆☆☆
以上の理由から、長所を伸ばす努力が、短所を減らす努力よりも本質的だと思います。
自己の成長のためには、自分の短所に目をつぶるいい加減さが必要ともいえます。

自分の長所を伸ばすためには、まずベースになる自分の個性を知る必要があります。
でも、自分で自分を知るのは、本当に難しい。
そのために、他者の目を借りる必要があるのだと思います。

厳しい言葉には耳を傾けても、褒め言葉はお世辞として聞き流すような態度だと、
褒め言葉にこそ隠れているはずの自分の強みのヒントを見逃すことになりかねません。
それは、もったいない、ですよね。

【まとめ】
短所を削るな、長所を伸ばせ。
褒め言葉を全身で受け止めて、自分のイケてる所を発見すべし。

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