2013年8月10日土曜日



このたび、松田典子に代わって教育プロジェクトのプロジェクトリーダーを
務めることになりました、飯田一弘です。

教育プロジェクト設立当初からリーダーをしていた松田は、
次の新しいチャレンジのために残念ながらLIPを退会することになり、
児童養護施設の子ども達に対し人一倍熱い想いを持っていた彼女の後を継いでリーダーになりました。

ライフワークとしての気構え


私のLIPでの活動歴はおよそ3年半になります。

松田の後任のプロジェクトリーダーの人選について内部で議論が行われたとき、
リーダーには「ライフワークとしての気構え」があること、
すなわち、子どもによりよい未来を提供することをライフワークとしていることが
不可欠の要件だということになりました。

私は、入会のきっかけについて書いた以前のエントリーをご覧いただければわかるとおり、
この活動を始めるまでは子どもの貧困や児童養護施設に関する知見を
全く持ち合わせていませんでした。
正直なところ、こういった問題への興味もありませんでした。
いわんや、ライフワークとしての気構えをや。
そんな私がLIPでの日々を通してどういう思いを持つに至り、
僭越ながら教育プロジェクトのリーダーを名乗ろうとするに至ったのかをご説明することで、
就任のご挨拶にかえたいと思います。

子ども時代の寂しさ


私は埼玉の出身です。
父は名古屋、母は愛媛の出身ですが、父が仕事のために
上京して居を構えたのがたまたま埼玉でした。
そのため、私が幼かったとき、私たち家族には頼れる親戚や友人がいませんでした。
当時の飯田家は経済的にも余裕がなく、両親は共働きでした。
姉がいたのでまったくひとりぼっちではありませんでしたが、
それでもひどく心細かったのを覚えています。
幼稚園から帰宅後、誰もいないがらんとした家の中で
ひとりで本を読みながら家族の帰りを待っていました。
黙読はまだできなかったので声にだして朗読していて、
近所の人が気味わるがったという話も聞いたことがあります。
鍵っ子生活は小学校高学年になる頃には終わりましたが、
あの頃の心細さは今も自分の中に強い記憶として残っています。


                                    photo credit

他人事ではない児童養護施設で暮らす子どもたち


そのせいか、児童養護施設で暮らす子ども達のことを
他人事とは思えない感覚が私にはあります。
自分はたまたまそのくじを引かなかっただけで、
自分が児童養護施設で生活する幼少時代を過ごしていた可能性だってないとはいえないし、
自分が虐待する親になっていた可能性だってないとはいえない。
そう感じているので、誰かのためという感覚はなくて、
自分のためというのが、私がLIPに取り組むときの基本的なモチベーションです。

私がLIPの活動に取り組むもうひとつのモチベーションは、
子どもの貧困や児童虐待などについて無関心な人を一人でも減らしたいという思いです。
それは、LIPと出会う前の私そのものでもあります。
これらの問題は、私たちが日常生活を送るうえで知らなければ困るようなことではないし、
知って気分の良いことでもありません。
身近で見聞きする機会に恵まれなければ、一生知らずに過ごすこともできそうです。
そういった人のなかには、LIPと出会った日以降の私と同じように、
知ることで行動が変わる人もきっといると思います。

プロジェクトリーダーの今の目標


日本における子どもの貧困という問題のもっとも厄介な点は、
それがごく少数の人たちにとっての問題でしかなく、
大多数の人たちにとってはまだ課題としての認識すらされていないということだと思います。
社会には自然治癒力のようなものが備わっていて、
人の体がちょっとした怪我や病気であれば自然に治してしまうのと同じように、
社会にも課題を解決する力が備わっているはずです。
しかしそのメカニズムがちゃんと機能するためには、
怪我をした部位からの信号が迅速かつ正確に脳に届く必要があります。
LIPの役割は、まさにそこにあるのだと思っています。

と、まあそんなことを今は考えております。
そして、まだ生後3ヶ月の息子が物心ついたときに
「うちの父ちゃん、かっこいい!」って思ってくれるのが、
今のささやかな目標です。
そんな私ですが、よろしくお願いします。



【定例ミニイベントお知らせ】

LIP教育プロジェクトでは、2ヶ月に一度、
イベント「Chance Maker(チャンスメーカー)アワー」を開催しております。
「Chance Maker アワー」では、LIP教育プロジェクトの児童養護施設向け寄付プログラム
「Chance Maker」の仕組みや児童養護施設の現状、
私たちの思いをメンバーから直接お話させていただきます。

教育プロジェクトに関心を持ってくださっている方、寄付をご検討くださっている方、
「Chance Maker」としてご寄付いただいている方など、ぜひお気軽にご参加ください!!

<開催概要>
日時:8月31日(土)14:20 〜 15:50
(受付開始時間:14:10)
場所:AT-Garage 東京都港区新橋6-18-3 中村ビル
   http://ow.ly/jEkMH
   http://www.facebook.com/atgaragepjt
   ※御成門が一番近いですが、新橋や浜松町/大門からもアクセスいいです。
◆定員 : 10名程度
◆参加費 : 無料
◆概要はこちら→http://p.tl/Q-Wk
◆参加お申込フォームはこちら →http://p.tl/TByp


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