2012年6月14日木曜日

Monthly Newsletter vol.18

Posted by lipedu On 13:01 No comments
平素よりLiving in Peaceをご支援いただき、誠にありがとうございます。
ニュースレター第18号をお届けいたします。どうぞ最後までお付き合いくださいませ。

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目 次

(1)寄付の状況 
(2)活動報告
(3)イベントのお知らせ
(4)今月の論文紹介 
(5)ロンドンだより
(6)LIPメンバーからのメッセージ 
(7)LIPからのお願い
(8)LIPメンバー募集のお知らせ
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(1) 寄付の状況

基本情報(括弧内は4月分)
寄付者数 283名(272名 )
寄付金総額 3,954,000円(3,459,000円 )
5月分の寄付金 495,000円(472,000円 )
※2012年5月末日現在。


(2) 活動報告 ~5月度交流会~

5月27日(日)につくば愛児園との交流会が行われました。今回はLIPのメンバーがつくばの愛児園を訪問し、体育館でバドミントンをしながら子ども達と交流しました。

この日は天気がよく、愛児園から近くの体育館への道を、横に筑波山を眺めながら気持ちよく歩きました。子ども達やメンバーと歩いていると、小学生の時に歩いた通学路を何故か思い出します。
さて、体育館に着くと、皆でネットを張って、準備運動です。いち、に、さん、し、の声が体育館に響きます。そして男女に分かれて、ダブルスでの試合開始です。子ども同士のペアもあれば、子どもとLIPメンバーのペアもあります。バドミントンに慣れていない子も、上手な子も、皆でわいわい話をしながら楽しんでいるようでした。途中、一部でバスケやバレーボールの即興もあった中、約2時間、子ども達とシャトルを打ち合い、最後に体育館の片付けをして愛児園に戻りました。
また、今回は、私達が隔月で行っているキャリアセッションの今後の参考とするために、子ども達の興味を聞く機会を愛児園の先生が設けてくださいました。子ども達と話した内容を、今後の活動に反映させていければと思っています。


(3) イベントのお知らせ

ある児童養護施設を8年間も撮影し続けた話題のドキュメンタリー映画「隣る人」、皆さまはもうご覧になられましたでしょうか?
6月22日(金)、映画上映後のトークショーに、代表の慎が登壇させていただくことになりました。まだご覧になられていない方も、もう一度観たいとお感じの方も、ぜひ、ご友人やご家族をお誘い合わせの上、ご来場ください。
場所: ポレポレ東中野 (http://www.mmjp.or.jp/pole2/)
時間: 19:00からの上映終了後

「隣る人」公式サイト: http://www.tonaru-hito.com/
予告編: http://www.youtube.com/watch?v=aD_OkGxXyew
   

(4) 今月の論文紹介

「リジリエンスについて」 
庄司順一 人間福祉学研究 第二巻第一号 2009.11
リンク先: http://www.kwansei.ac.jp/s_hws/attached/0000007289004.pdf

皆さまは、「リジリエンス」という言葉をご存知ですか?
貧困家庭での生活、被虐待体験、施設養護体験、あるいは未熟児として出生することなどは、子どもの発達や精神保健上のリスクとなります。しかし、これらのリスクを持ちながらも、良好な発達や社会適応をする人がいます。このような「リスクや逆境にもかかわらず、よい社会適応をすること」をリジリエンスといいます。
同じような環境で過ごしながら、なぜその後の社会的適応に違いが生じるのか、不思議に思うことはないでしょうか。その疑問を探るのがレジリエンス研究です。
本論は、リジリエンスの起源から研究過程と今後の展望が述べられています。発達心理学では、「発達」とは遺伝と環境の相互作用によって決められると考えられています。つまり、身体的、心理的(たとえばIQ)、社会的な諸要因が、時間の経過の中で、どのような相互作用をしてくるかということです。そのような要因の中で,リジリエンスがどのように達成されるかというと、自分あるいは自分の置かれた環境と体験をどう捉え直すか、つまり自己理解がとても重要であり、このことを「意味づけ」として説明する立場もあるとされています。自らの体験もふまえ、研究者Walshは、「逆境にもかかわらず」ではなく「逆境をとおして」であると述べています。
私たちができることは少しでも自分を肯定してあげられる環境作りをお手伝いすることなのかもしれません。レジリエンスは日本ではまだ研究が必要な分野だそうです。今後、研究が進めば、ソーシャルワークの発展に大いに期待できるとともに、一筋の希望が与えられそうです。


(5) ロンドンだより

チャンスメーカーの皆さまは、「アタッチメント理論」という考え方をお聞きになったことがありますか?これは、イギリスのジョン・ボウルビィという精神科医が1940年代に確立させたもので、今日でも児童養護の現場などで、子どもの精神的発達を理解するための考え方として広く応用されています。
新たに里親家庭に入る子どもは、多くの場合実親との関係を継続しており、また場合によっては既に他の里親との生活を経験しているなど、多様な人間関係の中に置かれています。こうした子どもたちの心理を理解する際に、アタッチメント理論が大きな手助けとなります。
ボウルビィは、人間の肉体的な発育のためにビタミンやたんぱく質が不可欠であるのと同様に、人間の精神的発達のためには身近な大人へ愛着形成が不可欠であると考えました。そして、この愛着形成のプロセスが、その後の人生で出会う人との関係構築に影響を与えたり、はたまた自分自身への見方にも影響を与えたりすると考えられています。
社会的養護を受ける子どもたちは、例えば母親が時々姿を消したり、度々代わる義理の父親が存在したりと、安定しない家族関係の中に長く置かれることで、このアタッチメントが正常に機能していないことが多くあります。それによって、家族関係は突然変化するもの、身近な人を傷つけることは当たり前、といった考え方をしていることがあるので、里親が想像しないような行動に出たり、自分の存在に価値を見出せなかったりします。
里親は、そうした子どもの行動を理解し、信頼できる人間関係が存在すること、人生は自らの力で切り開けること、などを伝えていくことが求められます。さらに、里親に実子がいる場合は、彼らとの関係にも配慮しながらサポートをすることが必要です。このように、里親の役割は多岐に渡るものであり、そうした役割を果たすためには深い知見が求められます。

 

(6) LIPメンバーからのメッセージ

チャンスメーカーの皆さま、こんにちは。
私は、LIPに参加して約1年が経ちます。本業で、企業のコミュニケーション活動のサポートをしているのですが、「伝え、人を動かす」コミュニケーションの力を、何か社会の役に立てたいと思ったのが活動を始めたきっけかです。完全パートタイムNPOを標榜するLIPには、20~30代を中心とする、様々なバックグラウンドを持つメンバーがいます。それがとても刺激的で、LIPで活動することが、自分の専門性をもっと磨こうという本業へのモチベーションにもなっています。
また、毎月の愛児園の子どもたちとの交流も、自分にとってとても大事な時間になっています。目の前の彼ら彼女たちのために、そして同じような状況にある子どもたちのために、自分たちの活動があるということを、改めて実感する機会になっています。子どもたちにとって、よく遊びに来るお姉さん(おばさん?)のような存在になれれば嬉しいなと思っています。
「世の中は1人の英雄によって変わるのではなく、大勢の人びとが参加する一つ一つの小さな取り組みを 一つの流れとすることによって変えることができる」というLIPの信念にとても共感しています。私1人の力は微力ですが、これからもメンバーと共に長く活動を続けていきたいと思っています。引き続き、チャンスメーカーの皆さまのご支援、ご協力をよろしくお願い致します。
(宇花)


(7) LIPからのお願い

平素より子どもたちへのご支援を賜りありがとうございます。
Living in Peace では”子どもたちにより広い就業の機会を”との考えから、月に1回キャリアセッションを実施しています。キャリアセッションでは様々な職業の方をお呼びし、職業体験及びお話を伺う機会を設けております。つきまして、現在9月以降のセッションにご協力いただける方を募っております。
子どもたちからは
鉄道運転、エンジニア、パン職人、心理カウンセラー、スポーツ関連の仕事、写真家、ゲーム関係
の仕事への興味を確認しており、もしこのようなお仕事に就かれている方、もしくはこのようなお仕事に就かれているお知り合いがいらっしゃる方はlivinginpeace.edu@gmail.comまでご一報いただけますと幸甚です。具体的にご協力いただく方法については、個別にご相談させていただければと思っております。
重ねてのお願い恐縮ではございますが、何卒宜しくお願い致します。


(9)LIPメンバー募集のお知らせ

LIP教育プロジェクトチームは、一緒に活動してくれる仲間を募集しています。見学も随時受け付けておりますので、ご興味のある方は、下記フォームから是非お気軽にご連絡ください。
http://goo.gl/de2nr

※LIPでは、Twitter、Facebookでも、イベント情報や活動の様子をお伝えしています。
Twitter: @lip_edu
Facebook: Chance Maker

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