2014年12月16日火曜日

先日開催された、日本政策学校主催のイベント“チャイルド・プア〜社会を蝕む子どもの貧困”。

本企画のきっかけはは―当団体の説明会「Chance Maker Hour」にお越しいただいた日本政策学校の学生の方が、児童養護施設の問題、そして子どもの貧困について興味・関心を持って戴き。その時に、講師が「チャイルド・プア〜社会を蝕む子どもの貧困〜」(著:新井 直之)を紹介したご縁で、今回の企画開催となりました。

「児童養護施設で保護されていない子どもたち」の貧困



子どもの貧困というテーマでは、私たちLiving in peaceも常に直面している問題であったが、働いてもギリギリの生活水準の維持さえ困難というワーキング・プアと同様にチャイルド・プアという言葉で認識したのは初めてでした。

チャイルド・プアというのは造語で子どもの貧困は国際的には「Child poverty」と表現し「Child poor」とは言わないそうです。

今回の講演は、NHK報道番組ディレクターである新井直之さんがすべて自身で実際取材されたもので、子どもの顔が浮かぶような現実的なお話でした。

これまで、児童養護施設で保護されている子ども達の生活環境を知る機会はあったのですが、施設の外で過酷な環境にさらされている子どもの話は衝撃的なものばかりでした。「学校の給食が唯一の食事」「虫歯やケガの治療ができない」「遠足にいけない」など…実親のもとに居ても、家が貧しいことが理由でこのような環境で生活している子どもが日本にも存在している。

“見ようとしないと見えない”子どもの貧困


新井さんのお話で、とても共感したのが、こうした問題は見ようとしないと見えないということ。こうした子どもは川の岩陰で溺れた状態、と例えていたがまさにその通りで、個別具体的な救いの手を必要としていながらも社会的認知度が低く、公に取り上げられる機会も少ない。

この文章を読んでくれている貴方のまわりを見渡してみても、そうかもしれない。ご自身の近くに貧困家庭で暮らしている子どもは居ないという人がほとんどだろうし、普段の生活で気にかけたことも少ないと思う。ただ、日本の子どもの貧困率は15.7%と言われており、子どもの約6人に1人が貧困状態にあると云われている。

遠い世界のことのように感じるかもしれないが、同じ日本国内にこうした子どもは存在している。話を聞くだけだと他人事のように聞こえるかもしれないが、もしご自身の身内や知り合いの子どもでこのような環境で苦しい思いをしていると知ったら手を差し伸べたいと本能的に思うはず。

いかに他人事で終わらせず子ども達の環境を良くしていくかは、子ども達と自分の距離感だと、私は考えています。いかに他人の子どもでも、なんとかしてあげたいと感じられるかどうか…

私たちは今後もその橋渡しをしていきたいし、関心をもつ大人が増えることを願っています。


新井 直之(NHK報道番組ディレクター)さん、中原 しんすけ(船橋市議会議員)さん、有難う御座いました。
この度、児童養護施設の支援を事業とするLiving in Peaceは、2015年より大学・専門学校への進学を志す児童養護施設の子ども達へ給付型(返還の義務なし)の奨学金をスタートします。

Living in Peace教育プロジェクト 奨学金事業の背景


平成26年度の文科省調査によると、高校卒業後に大学や専門学校に進学する子どもは全国の76.9%。一方、児童養護施設を卒園して進学する子どもは22.6%と、大きなギャップが開いています。

施設の子ども達は進学に興味がないのでしょうか?私たちは複数の施設で聞き取り調査を行い、課題は大きく3つあると考えました。

1)将来への意欲を持てない・・・

施設の子ども達の半数以上は、虐待を受けた経験を持っています。傷ついた自尊心を癒し、自分の存在を無条件に肯定できるようになるのは容易ではありません。将来に希望や意欲を持つことと、自分の価値を信じることには深い関係があります。

児童養護施設の子ども達にとって、まず自分を信じ、当たり前に夢を持つことが最初のハードルになります。

2)「進学=当たり前」と感じられる環境がない・・・

施設の子ども達にとって進学は身近なものではありません。なぜなら、進学していった施設の卒業生や友達を目にすることがないからです。ある施設から1人進学者が出ると、翌年以降も次々と進学希望者が出ることは珍しくありません。

同じ環境から進学した先輩が周りにいないことが、子ども達の選択肢を狭める一つの要因となっています。

3)最大の問題点は、経済的に進学が困難なこと・・・

学費を工面できずに進学を諦めるケースが数多く存在しています。奨学金を受給できたとしても、アルバイトに多くの時間を費やさなくてはなりません。

生活苦によるドロップアウトや就職に結びつかないことも少なくなく、奨学金の借金だけが残るという事態も生じています。このようなリスクの大きさは、親の援助の元で通学している学生たちとは比べ物になりません。

Living in Peaceの奨学金によって「すべての人にチャンスを」


私たちは「すべての人にチャンスを」の信念のもと、子ども達の進学率ギャップを埋めるため、これらの問題を解決したいと考えています。そのため、使途を住宅確保に限定した奨学金を開始します。

人生では、不慮の事態は必ず起こります。だからこそ、「何かが上手くいかなかった時でも、諦めずに再挑戦できるようなセイフティネット」が必要です。私たちは、住宅こそがその役割を果たすものだと考えます。

学業に挫けたり、何らかの理由でアルバイトを続けられなくなったとしても、帰る場所さえあれば、そこで心を休め、態勢を整え、もう一度困難に向かっていくことができます。それは、目標を追うための、揺らがない土台とも言えます。

本奨学金の目的は以下の3点です。
  • 使途を住宅費に限定することで、学業を続ける上での「最後のセイフティネット」とも言える住宅確保に直接効果を挙げていきます
  • 子ども達の進学モデルを実現し、彼らの経験を次の世代の子どもへ直接伝えていく場を提供することで、成功事例を次の成功事例に結び付けていきます
  • 現在運営している『Chance Maker』(施設の建て替え支援寄付プログラム)・『Career Session』(子どもたちの進路支援プログラム)と相互に連携し、子どもたちが施設で過ごす間の環境改善から施設卒業後の進学・就学まで、一貫したサポート体制を目指します
 【概要】

○期間 :2015年4月分より、卒業までの住宅費を補助します
○支給額:月額3万円
○対象:2015年度は試験的に、現在支援を継続している筑波愛児園の卒園者を対象とします。対象者は翌年以降拡大します
○資金提供の形式:給付型(返還の義務なし)
○ご支援頂ける方は、下記宛にお振込ください :
継続的に支援する(クレジットカードでのご寄付):http://www.living-in-peace.org/chancemaker/supporter/
「毎月クレジットカードで支援する」よりお申込みください(※申込みボタンは、児童養護施設の建て替え支援プログラムと同一です)。支援金額を指定する画面で「チャンスメーカー奨学金」をお選びください。
一回きりの支援(銀行振込でのご寄付):楽天銀行 第二営業支店 (普通)  7214745 特定非営利活動法人Living in Peace

今後とも、Living in Peaceをよろしくお願いいたします。

Living in Peace 一同

2014年12月1日月曜日

みなさま

いつもLiving in Peace、ならびに教育プロジェクトの活動を支えてくださりありがとうございます。

皆さまにご好評頂いている「朝活Chance Maker(チャンスメーカー)アワー」「ランチ会」のお知らせです!

児童養護施設向け寄付プログラム「Chance Maker」説明会ご案内


当イベントでは、LIP教育プロジェクトの児童養護施設向け寄付プログラム「Chance Maker」の仕組みや児童養護施設の現状、私たちの思いをメンバーから直接お話をさせていただきます。

また、ご参加いただく皆さまからのご質問やご意見も受け付けています。

少人数でざっくばらんにLIP教育プロジェクトのお話を参加者の皆さまとできればと思っています。

<こんな方の参加をお待ちしております>
  • 何か新しいことに取り組みたいと思われている方
  • 児童養護施設の現状に興味のある方
  • パートタイムNPOの活動に興味のある方
  • 教育プロジェクトに関心を持ってくださっている方
  • 寄付をご検討くださっている方
皆さまのお好きなお時間にぜひにお越しください!
お会い出来ることをメンバー一同楽しみにしております。



◆お申し込みはこちら:http://bit.ly/1mAR7r6
◆日時 : (いずれかの日程にご参加ください。)
  • 2014年12月9日  (火)7:40〜8:30 (7:30開場)  
  • 2014年12月14日(日)11:30〜12:30(11:30開場)
◆会場 :
2014年12月9日  (火)7:40〜8:30 (7:30開場)
上島珈琲店 霞が関コモンゲート店
虎ノ門駅より徒歩3分
MAP:http://tabelog.com/tokyo/A1308/A130802/13048384/dtlmap/

2014年12月14日(日)11:30〜12:30(11:30開場)
ユニオンサンドヤード
人形町駅より徒歩3分
MAP:http://tabelog.com/tokyo/A1302/A130204/13147274/dtlmap/

◆定員 : 各回4名程度
◆参加費
  • 2014年12月9日(火)  :店内でワンドリンク購入必要
  • 2014年12月14日(日):食事代1000円程度
◆Living in Peace概要
国内の児童養護施設向け寄附プログラム「Chance Maker」を運営している
認定NPOです。活動は他に本業を持つメンバーのみで運営されているユニークな組織です。
活動の詳細は以下ご覧下さい。
 http://p.tl/hDgm


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