2012年10月14日日曜日

Monthly Newsletter vol.22

Posted by lipedu On 11:04 No comments
平素よりLiving in Peaceをご支援いただき、誠にありがとうございます。
ニュースレター第22号をお届けいたします。どうぞ最後までお付き合いくださいませ。

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目 次

(1)寄付の状況 (2)活動報告(3)今月の一冊(4)ロンドンだより(5)LIPメンバーからのメッセージ(6)LIPからのお願い(7)LIPメンバー募集のお知らせ
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(1) 寄付の状況

基本情報(括弧内は8月分)
寄付者数  321名(307名 )
寄付金総額   6,055,000円(5,514,000円 )
9月分の寄付金 541,000円(532,000円 )
※ 2012年9月末日現在。


(2) 活動報告 ~つくば愛児園交流会(9月23日)~ 

今回はスポーツトレーナーである林隆道さん(http://www.movefast.jp/)を講師としてお招きし、走り方教室をつくばの体育館にて開催致しました。
つくば愛児園の先生が運転するバスで近くの体育館へ到着し、林さんが走り方教室の用具を準備し始めると、子どもたちは普段見ない用具(ラダーやミニハードル)が気になったようで、早くも走り出し始めています。用具の準備が整うと、まずは準備運動、そして体育館の中を林さんに続いて皆で周回します。軽く汗をかき始めた頃、次は用具を使っての練習です。林さんのお手本に続いて、皆でラダーやミニハードルの短い間隔に合わせて、ジャンプや、足をしっかり上げて走る練習をします。
続いて、林さんの指導に従って、体育館の壁に皆で並び、足のストレッチを行いました。普段あまり意識したことのない、足の付け根の筋を伸ばすようなストレッチを終えると、足が高く上がり、体が軽くなった気がしました。再度、用具を使ってトレーニングをし、最後は体育館の端から端へと徒競走を行い、子どもたちは大人に負けまいと、そして大人は子どもに負けまいと走っていました。
運動が終わった後には、林さんからスポーツトレーナーのお仕事内容や、スポーツトレーナーになる方法について説明していただきました。スポーツに関心を持っている子どもは熱心に聞いている様子でした。実際に体を動かした走り方教室や林さんの説明を通して、スポーツトレーナーの仕事を知る良い機会になったのではないかと思います。(小野)


(3) 今月の一冊 『「運命」を跳ね返すことば』 坂本博之(著)

著者は児童養護施設「和白青松園」出身の元プロボクサー、坂本博之氏です。世界チャンピオンにはなれませんでしたが、2000年に年間最高試合に選ばれ、出場すると後楽園ホールはいつも満員でした。

著者は現役の時から和白青松園を支援し、今はSRSボクシングジム(http://www.srsboxing.com/)で会長を努め、プロボクサーの育成と全国の施設支援としてボクシングセッションに取り組んでいます。

著者の考えによれば、目標に向かって熱く生きることと、その過程における苦しみは表裏一体であり、苦しみを克服することこそ人生の価値があります。厳しい現実であろうと、運命のせいにしないようにしてきた経験をこの本にまとめています

この本は全5章からなります。第1章は施設の子ども達との接し方に関する著者の哲学、第2章は施設の子ども達に対するメッセージの伝え方、第3章は著者が子どもに励まされたエピソード、第4章は子どものいじめに対して大人がどう振る舞うべきか、第5章は子宝に恵まれない苦悩から、著者がどのように立ち上がったかが書かれています。全201ページで、数時間で気軽に読めます。

最後に、この本の印象深い3箇所をまとめます。

・一生懸命かどうかは子どもにすぐに見透かされる。挑戦する姿勢は、子どもの心に突き刺さる。
・大人にとって大事なのは、子どもに正しいことを言うよりも、共感すること。子どもの思いを吐き出させるだけでもいい。
・試合に負けて挫折しそうになった時、僕は子どもたちに救ってもらった。だから、今度は僕が子どもたちに恩返しがしたい。(菅原)


(4) ロンドンだより

今回は里親と子どものマッチングについてです。

子どもに新たな里親が必要となった場合、里親の経験やスキル、実親の居住地や現在通う学校の所在地、子どものエスニシティ(民族性)、宗教、文化などを考慮して、里親候補の選定が行われます。また、子どもが何らかの障害を持っている場合は、そうした子どもを預かる資格を有した里親を探す必要があります。

その子どもを管轄する州が抱える里親の中に適切な候補が見つからない場合、民間の里親委託機関もしくは他の州に依頼して、里親を探すことになります。里親候補には、子どもに関する基本的な情報が渡され、その子どもを預かりたいかどうかの希望が確認されます。そして、正式な決定にあたっては、親権者の許可が必要となります。

正式に里親の決定が行われると、委託にあたっての取り決めが交わされます。委託の期間はどれくらいが予定されているか。学校が主催する旅行や友人宅への宿泊などについては、許可が必要か否か。必要な場合は、誰と連絡を取るのか。実親の訪問はどのような形で行うのか、電話などでの子どもとの連絡はどうするか。学校用品や制服代は誰が出すのか。また、髪型を変えるというような一見ちょっとしたことがトラブルを招くこともありえるため、里親が何を決めることができて、何は許可がいるのかを明確にしておく必要があります。

新しい里親の元での生活が始まると、まず始めの1週間のうちに、担当するソーシャルワーカーが子どもと1対1で面接をして、子どものニーズが満たされているかを確認します。その後も、始めの1年間は6週間に1回、その後は最低3ヶ月に1回、ソーシャルワーカーによる訪問が行われます。

参考文献: "A Practical Guide to Fostering Law: Fostering Regulations, Child Care Law and the Youth Justice System"

(関口)


(5)  LIPメンバーからのメッセージ

チャンスメーカーの皆様、はじめまして。LIP歴2年目になる肥田 空(ひだ そら)です。今日はLIPと出会うまでのお話を、簡単な自己紹介とさせていただきたいと思います。

私が、子どもの貧困や問題に目に向けるようなったきっかけは、中学生のときの同級生でした。当時私は、転校生で友人があまりおらず、そんな時に仲良くなったのが彼女でした。ある時彼女に、虐待の経験があることを打ち明けられました。多感な時代を彼女と共に過ごし、幼少期の体験は、彼女に大きく影響していることを感じました。彼女が苦しんでいるとき、私は傍にいるだけで何もできませんでした。今でも彼女のことは忘れられません。

その後、子どもの問題について勉強するため教育学科に入学しました。在学中、ある児童養護施設にボランティアに行ったのですが、二度目の忘れられない出来事がありました。

 木造のボロボロの建物も衝撃だったのですが、施設の職員さんが参加していた私たち大学生に向かって「国の補助金も少なく、大変です。あなたたちで何とかしてください」と言いました。その時の職員さんの顔はとても真剣でした。何か、私たちの無知が責められているような胸がきゅっとなるような出来事でした。お金もそうですが、システムも変えなければ本当の改善とは言えない現実をそこで知りました。だけど実際に、「私には何ができるのだろう?」そう思っていた頃に、“社会起業”という言葉を知りました。そのまま勢いで社会起業大学というビジネススクールに入学しました。そこで、模索しているうちにLiving in Peaceを知り、現在に至ります。

今も私は模索したままで、自分の無力さをいつも感じます。だけど、同じ志を持ったLIPなら、少しずつでも何か変えられるのではないかと思っています。 “普通の会社勤めの人が、自分の生活を維持しながらも、社会貢献活動をしている”実際に活動してみると、それは結構大変なことでした。自分のことでいっぱいになってしまって、他のメンバーに迷惑をかけてしまったり。けれど、月一度会う子どもたちの顔がやっぱり忘れられません。LIPは私にとって、忘れたくない想いを繋ぎ止めてくれる大事な場所です。これからLIPを知る人にとっても、日常の中で考えるきっかけになり、アクションにつながる、そのようなものになってくれるといいなと思っています。(肥田)


(6) LIPからのお願い

平素より子どもたちへのご支援を賜りありがとうございます。

Living in Peace では”子どもたちにより広い就業の機会を”との考えから、月に1回キャリアセッションを実施しています。キャリアセッションでは様々な職業の方をお呼びし、職業体験及びお話を伺う機会を設けております。つきまして、現在セッションにご協力いただける方を募っております。

子どもたちからは「鉄道運転、エンジニア、パン職人、心理カウンセラー、スポーツ関連の仕事、写真家、ゲーム関係」の仕事への興味を確認しており、もしこのようなお仕事に就かれている方、もしくはこのようなお仕事に就かれているお知り合いがいらっしゃる方はlivinginpeace.edu@gmail.comまでご一報いただけますと幸甚です。具体的にご協力いただく方法については、個別にご相談させていただければと思っております。

重ねてのお願い恐縮ではございますが、何卒宜しくお願い致します。


(7) LIPメンバー募集のお知らせ

LIP教育プロジェクトチームは、一緒に活動してくれる仲間を募集しています。見学も随時受け付けておりますので、ご興味のある方は、下記フォームから是非お気軽にご連絡ください。http://goo.gl/de2nr

※LIPでは、Twitter、Facebookでも、イベント情報や活動の様子をお伝えしています。
Twitter: @lip_edu
Facebook: Chance Maker

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