2012年8月14日火曜日

Monthly Newsletter vol.20

Posted by lipedu On 11:05 No comments
平素よりLiving in Peaceをご支援いただき、誠にありがとうございます。
ニュースレター第20号をお届けいたします。どうぞ最後までお付き合いくださいませ。

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目 次


(1)寄付の状況 
(2)
寄付と施設建築状況について
(3)活動報告
(4)今月の一冊
(5)ロンドンだより
(6)LIPメンバーからのメッセージ

(7)代表 慎の出演イベントのお知らせ
(8)LIPからのお願い
(9)LIPからのお知らせ

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(1) 寄付の状況

基本情報(括弧内は7月分)
寄付者数     300名(289名 )
寄付金総額   4,982,000円(4,459,000円 )
8月分の寄付金 523,000円(505,000円 )
※ 2012年7月末日現在。



(2) 寄付と施設建築状況について

現在の支援先である”筑波愛児園”の新施設への建て替え予定は、今夏より着工を開始し、2013年の秋までに完成予定となっています。

本建て替えに必要な資金として、筑波愛児園は、独立行政法人福祉医療機構より、20年間無利息で、約8,000万円の借入金を受けます。
同借り入れの詳細の返済スケジュールは未定ですが、筑波愛児園の借入金の返済が始まるタイミングで、現在まで皆様から頂いた寄付金の筑波愛児園への支払いが始まります。

借入金8,000万円に対し、これまで皆様から頂いた寄付金498万円の充足率は6%です。残額7,502万円を20年間で返す為に必要な毎月の金額31万円に対し、現在皆様から頂いている毎月の寄付金額50万円の充足率は160%です。

Living in Peace教育プロジェクトは、更にチャンスメーカーの皆様の輪を広げ、より多くの児童養護施設の子どもたちに、より良い養育環境を提供すべく、活動を拡大・前進させる所存です。引き続きのご支援を、何卒、宜しくお願い致します。



(3) 活動報告 ~7月度交流会~


つくば愛児園に到着し、お昼に素麺を頂いた後、愛児園の先生の運転するマイクロバスに乗って、近くの体育館へ向かいます。車内では、夏休みに入った中学生の子どもたちが、LIPのメンバーと宿題について話をしている声が聞こえてきます。こうして皆でバスに乗っていると、自然と気分が楽しくなってきます。体育館に到着後、卓球台を皆で準備して、準備運動を始めます。日頃運動していないメンバーは、特に念入りに準備運動をしているようです。

子どもの中には卓球部の子どももいて、その子はやはり強い。私も小学校のときに卓球部だったこともあり、マイラケット持参で対戦しましたが、魔球のようなスピンがかかっており、太刀打ちできません。

他の子どもたちも、大人を打ち負かそうと、次から次へとメンバーと対戦したり、ダブルスを組んで対戦したりと、ピンポンを楽しんでいる様子です。卓球は誰もが気軽にできる点がいいですね。いつの間にか、ドッチボールも始まっていましたが、予定の時間が近づき、最後に恒例のモップ掛け競争で体育館を駆け抜けました。

今回は、夏ということで、気が利くメンバーが冷たいアイスキャンディを持参しており、子どもも大人も一息ついてから、つくば愛児園へと戻りました。
   

(4) 今月の一冊

「ハッピーバースデー 命かがやく瞬間(とき)」


「いいか、あすか。自分のがわから見ているだけでは、物事の真理を見落とすぞ。相手を信じること、許すことは、自分を大事にすることでもあるんだぞ。」
「心がかわいていては、人間、ちゃんと生きられん。心には、余分なほどにいろんなものをいれておいたほうがいい。」
「感情を殺すことは、生きるエネルギーをなくしてしまうことだよ。じいちゃんがしっかり受けとめてやるから。だから、安心して、ほんとうのあすかを出してごらん。」

上の言葉は、今回紹介させていただく著書の主人公であるあすかが、周りの人からかけられる言葉の中で、特に私にとって印象に残った言葉です。
主人公のあすかは、母親から精神的虐待を受けて過ごし、ついには11歳の誕生日に「生まなければよかった」という母親の一言から、声を失います。

あすかはその後、祖父母の愛に包まれ、自然と傷ついた心を癒します。

その後のあすかは、強くかわって行き、そして、、

という話が本著です。

最初は、あすかの置かれた環境にとても悲しみを覚えますが、最後には、希望にあふれるあすかに元気をもらえる作品となっています。

私は特に、物語前半に、祖父があすかにかける温かい言葉が心に残りました。私もきっと、温かい言葉を赤ちゃんのときに頂いたのだろうとは思いつつも、記憶がないので、祖父の姿に、活動を通じて触れ合う、愛児園の職員の方を重ねました。

短い時間でさくさくと読めますので、是非、気軽に手に取ってみて下さい。挿絵もとても、心温まるイラストでした。(sho)
   

(5) ロンドンだより

今回はイギリスの里親制度の歴史について少し触れてみたいと思います。

現在の里親制度の原型となるものとして、19世紀頃までに作られた慈善団体の数々があります。こうした団体は、身よりのない子どもたちが生活するための施設を各地に設立し、中にはそうした施設から一般家庭に子どもが預けられることもありました。この当時に設立された団体の中には、Barnardo'sなど現在でも里親制度や養子縁組などを通じて子どものための活動を継続しているところがあります。

19世紀中頃には既に行政が関わって、里親の元に子どもを託すという試みが始まりましたが、そうした枠組みを提供することで親が無責任になるのではないか、もしくはお金のために里親になって子どもを不適切に扱う人たちが現れるのではないか、といった懸念も生まれ始めました。そこで、子どもと里親の間をつなぐための機関も設立されるようになりました。

とはいえ、国が強く介入して親元で生活できない子どもたちを保護するようになったのは第二次世界大戦後のことです。その頃には、精神科医や心理学者などの専門家によって、実親から離れて育つ子どもの心理に関する研究も発展を見せるようになりました。以前の記事でご紹介した、「アタッチメント理論」も、戦後になって確立されたものです。

当初、里親としての仕事は女性の家庭での役割の延長として捉えられ、何か特別なトレーニングが必要なものとは認識されていませんでしたが、今日では、子ども本人だけでなく、実親や学校の先生、医師、心理カウンセラーなど様々な関係者と適切なコミュニケーションを取ることを要求される専門性の高い仕事として捉えられるようになっています。(chie)

 

(6) LIPメンバーからのメッセージ

Living in Peace教育プロジェクトのY.Iと申します。メンバーとして参加して早半年。今日は私がLIPに参加するに至った個人的事情を少し書きたいと思います。

もともと公務員として地域の福祉計画策定などを担当していた私、公職を辞してベンチャー企業に飛び込んだのが半年前。ちょうど30歳の節目を迎えたその頃、代表慎の個人ブログ”Teajunomics”からLiving in Peaceの存在を知り、一気に興味が湧きました。

自分の心に響いたのは、この活動がメンバーの個人的な経験や感覚にきちんと根ざしていること。私は、単純に「なんとなくいいことをしたい」という動機しか感じないNPOには正直あまり興味がありませんでした。遠くの日本人より近くの外国人。会ったこともない人には手を差し伸べるのに、目に見えるところにいて困窮している人には手を差し伸べないのか、と。

そんな時、慎が書いていた言葉は突き刺さりました。児童養護施設を訪問し、帰り際に「また来るね」と言ったところ、子どもから「どうせもう来ないんでしょ」。同じ体験を繰り返してきたであろう子どもたちのことを思い、帰宅してからこのままでいいのかと悶々とした、と。

それからもうひとつ。LIPの寄付プログラムの合理性も大きく心を動かされたポイントでした。善意は素晴らしいことですが、力なき善意もまた無力です。寄付がどんなに集まったとしても、それが雲散霧消してしまうようなシステムでは意味がないと私は思います。LIPのChance Makerは公的な助成をうまく組み合わせることで寄付金の価値を倍増させる、実に理に適ったプログラムだと最初に感じたことも大きかったと思います。

体温と戦略の両方を感じる活動。それが私のLIPに対する最初のイメージであり、またこの半年変わらず持ち続けている思いです。

LIPにはとにかく面白い人がたくさんいて、毎週のミーティングは生活のいい刺激になっています。最近は耳にたこができるほど林業の熱さについて語るメンバーがいて、非常に楽しいです。林業は日本の有望な産業になりうる! 起業しちゃうんじゃないかと思うほどの勢いです。興味のある人は是非聞きに来てください。

個人的に仕事も非常に忙しく、土日にこれだけ時間を割いている自分にびっくりですが、”目の前の彼らの”ために、善意だけでなく実際の利益を与えられるような活動に参加できていることは大きな喜びです。LIPの理念に共感し、Chance Makerとしてご寄付をいただいている皆さま、心から感謝しています。 最近は寄付のみならず、子どもたち向けのキャリア支援活動にも協力を名乗りでてくださる方がたくさんいて、本当に嬉しい限りです。

「目の前の彼らのため」そして「これから来る誰かのため」私は力を尽くしたいと思います。これからも一緒にこの活動を作っていきましょう!


(7) 代表 慎の出演イベントのお知らせ

8月22日(水)紀伊國屋書店における玉置さゆりさんとのトークセッション          
8月26日 (日)Better than today TV(USTREAM)出演
8月31日 (金)代官山蔦屋書店における西田亮介さんとのトークセッション 
                     http://tsite.jp/daikanyama/event/000822.html

 

(8)LIPからのお願い

平素より子どもたちへのご支援を賜りありがとうございます。

Living in Peace では”子どもたちにより広い就業の機会を”との考えから、月に1回キャリアセッションを実施しています。キャリアセッションでは様々な職業の方をお呼びし、職業体験及びお話を伺う機会を設けております。つきまして、現在9月以降のセッションにご協力いただける方を募っております。
子どもたちからは鉄道運転、エンジニア、パン職人、心理カウンセラー、スポーツ関連の仕事、写真家、ゲーム関係」の仕事への興味を確認しており、もしこのようなお仕事に就かれている方、もしくはこのようなお仕事に就かれているお知り合いがいらっしゃる方はlivinginpeace.edu@gmail.comまでご一報いただけますと幸甚です。具体的にご協力いただく方法については、個別にご相談させていただければと思っております。
重ねてのお願い恐縮ではございますが、何卒宜しくお願い致します。


(9)LIPメンバー募集のお知らせ

LIP教育プロジェクトチームは、一緒に活動してくれる仲間を募集しています。見学も随時受け付けておりますので、ご興味のある方は、下記フォームから是非お気軽にご連絡ください。
http://goo.gl/de2nr

※LIPでは、Twitter、Facebookでも、イベント情報や活動の様子をお伝えしています。
Twitter: @lip_edu
Facebook: Chance Maker

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