【モメント】
『半沢直樹』の最終回を見た。
僕はテレビを見ない。ニュースも見ない。
だから、大和田常務が笑ってるのか泣いてるのかわからない顔を引きつらせているのを見たのも、
半沢がこれまた泣いてるのか笑ってるのか分からない顔でそれを見下ろしているのを見たのも、
ただの偶然だったのだ。
気になったので少し調べてみた。
このお話の主人公・半沢は銀行マンだ。中小企業の経営者だった父を支えた信金では「なく」、
父を見捨て自殺に追いやったメガバンクの内部に自ら入り込む。
決め台詞は『10倍返しだ!』
跋扈する百鬼夜行を正論で叩き伏せるその姿は、
さしずめ日本人の大好きな社会派水戸黄門系ヒーローといったところか。
個人的に興味を惹かれたのは、半沢が選んだ戦場が、どうして信金ではなくてメガバンクだったのかということだ。
それを考えた時、頭の中に一つのアナロジーが浮かんだ。それは「透明なパイプ」である。