2014年12月16日火曜日

この度、児童養護施設の支援を事業とするLiving in Peaceは、2015年より大学・専門学校への進学を志す児童養護施設の子ども達へ給付型(返還の義務なし)の奨学金をスタートします。

Living in Peace教育プロジェクト 奨学金事業の背景


平成26年度の文科省調査によると、高校卒業後に大学や専門学校に進学する子どもは全国の76.9%。一方、児童養護施設を卒園して進学する子どもは22.6%と、大きなギャップが開いています。

施設の子ども達は進学に興味がないのでしょうか?私たちは複数の施設で聞き取り調査を行い、課題は大きく3つあると考えました。

1)将来への意欲を持てない・・・

施設の子ども達の半数以上は、虐待を受けた経験を持っています。傷ついた自尊心を癒し、自分の存在を無条件に肯定できるようになるのは容易ではありません。将来に希望や意欲を持つことと、自分の価値を信じることには深い関係があります。

児童養護施設の子ども達にとって、まず自分を信じ、当たり前に夢を持つことが最初のハードルになります。

2)「進学=当たり前」と感じられる環境がない・・・

施設の子ども達にとって進学は身近なものではありません。なぜなら、進学していった施設の卒業生や友達を目にすることがないからです。ある施設から1人進学者が出ると、翌年以降も次々と進学希望者が出ることは珍しくありません。

同じ環境から進学した先輩が周りにいないことが、子ども達の選択肢を狭める一つの要因となっています。

3)最大の問題点は、経済的に進学が困難なこと・・・

学費を工面できずに進学を諦めるケースが数多く存在しています。奨学金を受給できたとしても、アルバイトに多くの時間を費やさなくてはなりません。

生活苦によるドロップアウトや就職に結びつかないことも少なくなく、奨学金の借金だけが残るという事態も生じています。このようなリスクの大きさは、親の援助の元で通学している学生たちとは比べ物になりません。

Living in Peaceの奨学金によって「すべての人にチャンスを」


私たちは「すべての人にチャンスを」の信念のもと、子ども達の進学率ギャップを埋めるため、これらの問題を解決したいと考えています。そのため、使途を住宅確保に限定した奨学金を開始します。

人生では、不慮の事態は必ず起こります。だからこそ、「何かが上手くいかなかった時でも、諦めずに再挑戦できるようなセイフティネット」が必要です。私たちは、住宅こそがその役割を果たすものだと考えます。

学業に挫けたり、何らかの理由でアルバイトを続けられなくなったとしても、帰る場所さえあれば、そこで心を休め、態勢を整え、もう一度困難に向かっていくことができます。それは、目標を追うための、揺らがない土台とも言えます。

本奨学金の目的は以下の3点です。
  • 使途を住宅費に限定することで、学業を続ける上での「最後のセイフティネット」とも言える住宅確保に直接効果を挙げていきます
  • 子ども達の進学モデルを実現し、彼らの経験を次の世代の子どもへ直接伝えていく場を提供することで、成功事例を次の成功事例に結び付けていきます
  • 現在運営している『Chance Maker』(施設の建て替え支援寄付プログラム)・『Career Session』(子どもたちの進路支援プログラム)と相互に連携し、子どもたちが施設で過ごす間の環境改善から施設卒業後の進学・就学まで、一貫したサポート体制を目指します
 【概要】

○期間 :2015年4月分より、卒業までの住宅費を補助します
○支給額:月額3万円
○対象:2015年度は試験的に、現在支援を継続している筑波愛児園の卒園者を対象とします。対象者は翌年以降拡大します
○資金提供の形式:給付型(返還の義務なし)
○ご支援頂ける方は、下記宛にお振込ください :
継続的に支援する(クレジットカードでのご寄付):http://www.living-in-peace.org/chancemaker/supporter/
「毎月クレジットカードで支援する」よりお申込みください(※申込みボタンは、児童養護施設の建て替え支援プログラムと同一です)。支援金額を指定する画面で「チャンスメーカー奨学金」をお選びください。
一回きりの支援(銀行振込でのご寄付):楽天銀行 第二営業支店 (普通)  7214745 特定非営利活動法人Living in Peace

今後とも、Living in Peaceをよろしくお願いいたします。

Living in Peace 一同

0 コメント:

コメントを投稿

  • RSS
  • Facebook
  • Twitter