このたび、松田典子に代わって教育プロジェクトのプロジェクトリーダーを
務めることになりました、飯田一弘です。
教育プロジェクト設立当初からリーダーをしていた松田は、
次の新しいチャレンジのために残念ながらLIPを退会することになり、
児童養護施設の子ども達に対し人一倍熱い想いを持っていた彼女の後を継いでリーダーになりました。
ライフワークとしての気構え
私のLIPでの活動歴はおよそ3年半になります。
松田の後任のプロジェクトリーダーの人選について内部で議論が行われたとき、
リーダーには「ライフワークとしての気構え」があること、
すなわち、子どもによりよい未来を提供することをライフワークとしていることが
不可欠の要件だということになりました。
私は、入会のきっかけについて書いた以前のエントリーをご覧いただければわかるとおり、
この活動を始めるまでは子どもの貧困や児童養護施設に関する知見を
全く持ち合わせていませんでした。
正直なところ、こういった問題への興味もありませんでした。
いわんや、ライフワークとしての気構えをや。
そんな私がLIPでの日々を通してどういう思いを持つに至り、
僭越ながら教育プロジェクトのリーダーを名乗ろうとするに至ったのかをご説明することで、
就任のご挨拶にかえたいと思います。
子ども時代の寂しさ
私は埼玉の出身です。
父は名古屋、母は愛媛の出身ですが、父が仕事のために
上京して居を構えたのがたまたま埼玉でした。
そのため、私が幼かったとき、私たち家族には頼れる親戚や友人がいませんでした。
当時の飯田家は経済的にも余裕がなく、両親は共働きでした。
姉がいたのでまったくひとりぼっちではありませんでしたが、
それでもひどく心細かったのを覚えています。
幼稚園から帰宅後、誰もいないがらんとした家の中で
ひとりで本を読みながら家族の帰りを待っていました。
黙読はまだできなかったので声にだして朗読していて、
近所の人が気味わるがったという話も聞いたことがあります。
鍵っ子生活は小学校高学年になる頃には終わりましたが、
あの頃の心細さは今も自分の中に強い記憶として残っています。
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