2014年6月25日水曜日

自己紹介


皆さんはじめまして!私は日本のまん真ん中の里と呼ばれた岐阜県郡上市美並町(旧美並村)にあります児童養護施設「合掌苑」で事務長をしております成澤武史(37)と申します。

社会福祉系の大学を卒業して十数年、当施設で児童指導員と事務方をしております。私ごとではございますが、思うところがあり一昨年当施設を退職したのですが、今年4月に再度復帰することにしました。

なぜ退職したのか、児童養護施設の現状についてなど、全国500以上ある中でのたった1つの田舎の児童養護施設ですが、縁あってLiving in Peaceの皆様と知り合う機会があったので、このブログを通して現場の生の声が届けられたらと思っております。

なにぶん学識はなく、読みにくい点や表現が適切でないこともあるかも知れません。出来ましたら、ご容赦・ご指導ください。

児童養護施設のはじまり


今回ご紹介するのは、児童養護施設の始まりとその後の変遷についてです。

児童養護施設の始まりを見てみると、多くの施設が戦後、戦争孤児を救おうと仏教などのお寺やキリスト教などが里親や施設を立ち上げ、孤児として貧困の極みにある子ども達を受け入れ始めたのがきっかけでした。その多くが両親の死別や捨てられた子ども達で、施設は衣食住を満たすことが大きな役割を果たしていました。

その後、十数年前から児童虐待が大変問題視され、児童養護施設に入る子ども達の多くは何らかの虐待経験を抱えて入所し、職員はその児童が抱えている怒りの感情や試し行動に振り回され始めました。

国はそこに被虐待児受入加算や個別対応職員加算など加算をつけて(児童養護施設における人員配置の最低基準はそのままに)人員を配置した結果、近年は人員も以前よりは改善されたのですが、施設は安定しているのかというとそうではありません。

被虐待児、障害児の増加と児童養護施設の現場


最近の施設においては、相変わらず被虐待児の対応も課題としてはあるのですが、障害児の対応にも苦慮し始めています。数年前は、養護問題を抱えた子ども達が大多数で、当施設でいうと、定員50人に対し療育手帳を持った子どもは2~3名でした。

一方最近では、知的障害のみならずADHD、アスペルガー、学習障害など広範性発達障害と呼ばれるような障害を持った子どもが多くなってきており、現在当施設では、約半数がこういった何らかの障害や情緒問題を抱えている子ども、学校でいうと特別支援学級や特別支援学校で対応している児童の約半数を抱えているのです。

このことで何が起こるのか想像がつきますでしょうか?「児童養護施設の人員配置は6:1、最近は5.5:1くらいにはなってきているのだから、職員の負担も軽減されたでしょ!」と巷では言われますが、一人でも大変手が掛かるのが実状なのです。言葉で通じ合っている感覚が少なく、色んな状況の子ども達を受け入れなければいけなく、許容量の少ない子ども達と、障害を持った子ども達が生活を共にするのです。当然、衝突も増え、不満が増え、職員は対応に追われるのです。

こんな大変なことばかりを羅列してしまいましたが、もう嫌だー!と言っているわけではありません。どの子どもも大変な過去を背負って生活していますが、可愛い子ばかりです。可愛いエピソードや嬉しかったことも今後はご紹介したいと思っています。

少し初回ということで長くなってしまいましたが、次の機会にまだ伝えきれないことに触れていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

児童養護施設の地域交流事業でお待ちしております


先日、「苑祭がらくた市」というイベントを開催いたしました。地域の方や卒業生、旧職員、ボランティアさん、多くの方に支えられて私達も養育出来るのだと改めて感じました。

多くの児童養護施設が同様の地域交流事業をされていると思いますので、ご興味のある方はお近くの児童養護施設を検索してみてください。そして、実際に児童養護施設にいる子どもたち、職員の先生方と交流してみてください。

合掌苑 児童養護施設

“子どもの貧困”の現状と今後を考える「Chance Maker Hour」のご案内



私たちLiving in Peaceは、機会の平等を通じて、貧困の削減を目指す事業を運営する認定NPOです。この度、これまでに私たちが知りえた問題の現状と問題解決の仕組み、そしてその今後についてお話する機会「Chance Maker(チャンスメーカー) アワー」を企画しました。

Chance Maker(チャンスメーカー) アワー」では、いわゆる“子どもの貧困”の実態を踏まえたうえで、児童養護施設の現状や、私たちLIP教育プロジェクトが運営している事業内容、パートタイムNPO(他に本業を持つメンバーで運営されるNPO)の具体的な活動、所属メンバーがLIPに入ったきっかけ等についてお話させていただきます。

【こんな方の参加をお待ちしております】
  • “子どもの貧困”に関心のある方
  • 児童養護施設の現状に興味のある方
  • パートタイムNPOの活動に興味のある方
  • Living in Peaceの活動への参加に興味のある方
  • どんなメンバーが活動しているのかに興味のある方
上記以外についても、少人数の会であることを活かし、当日はみなさまとの質疑応答の時間を多く設けていますので、なんでも質問してみてください。

<開催概要>
◆日時:8月16日15:20-16:50 (受付開始時間:15:10)
 ※会場の都合上、受付開始時間後にお越しください。
◆場所:AT-Garage 東京都港区新橋6-18-3 中村ビル
   http://ow.ly/jEkMH
   http://www.facebook.com/atgaragepjt
   ※御成門が一番近いですが、新橋や浜松町/大門からのアクセスも良いです。
◆定員:10名程度
◆参加費:無料
◆参加申込フォームはこちら

2014年6月16日月曜日

みなさま

Living in Peaceは7月5日(土)に、筑波愛児園訪問、オープンハウスを開催いたします。
なかなか訪れる機会のない児童養護施設の見学、職員との懇談を通していまの児童養護施設を知る絶好の機会です。

児童養護施設の見学・職員との懇談企画「オープンハウス」のお知らせ


私たちの支援している筑波愛児園は今年1月に新しい施設が完成し、筑波愛児園の子どもたちは2月より新しい施設での生活を始めています。

新しい筑波愛児園でのオープンハウスに是非みなさま奮ってご参加下さい。


【申込フォーム】http://bit.ly/1oCEKNm

【開催概要】
◆日程 : 2014年7月5日(土)
◆定員 : 8名程度
◆参加費 : 400円(昼食代です。子どもたちと同じ食事を筑波愛児園にご用意いただきま  ※ご自宅から集合場所、解散場所からご自宅までの交通費は上記に含まれません。
   またつくば駅から愛児園までのバス代として別途片道300円が発生致します。


◆日程
 11:45 つくばエクスプレス つくば駅バスターミナル3番乗り場集合
 11:55 バス乗車(つくバス北部シャトル:筑波山口行き)
 12:40 筑波愛児園に到着
 12:45 筑波愛児園にて昼食
 13:30 Living in Peace教育プロジェクトの紹介
 13:45 先生方との懇親
 14:45 ストリートビューを使用した旧施設の説明
 15:15    施設内見学
 16:15 質疑応答及びアンケート
 16:45 筑波愛児園出発
 17:07 バス乗車(つくバス北部シャトル:つくばセンター行き)
 17:40    つくば駅到着後解散

〈参加者のみ〉
 18:00 愛児園先生方との懇親会お店(つくば駅周辺)へ移動
 ※懇親会は参加費3,000円程度の予定です
 ※内容は、予告なく変更される場合がありますので、あらかじめご了承下さい。
 ※また事前に本フォームからのお申込のない方の参加はご遠慮いただいております。
  参加をご希望される方はお一人ずつお申し込み下さい。

《参考URL
児童養護施設 筑波愛児園 http://tsukubakai.sakura.ne.jp/

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Living in Peace 教育プロジェクト
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