2013年3月8日金曜日


みなさんの周りには、「一体なんでこの人はこんな態度を取るんだろう?」と思うような人はいませんか。
人に嫌われるような行為をわざと繰り返すように見えたり、自分の感情を制御しきれず他の人に怒りをぶつけてしまったり。


育児で大切な「身近な大人の愛情」


この本では、赤ちゃんが身近な大人から受ける愛情が、感情をコントロールしたり、他者の気持ちを理解したりする能力を発達させるために、いかに重要な役割を占めているかについて語られています。

子どもが暴力に晒されることによる影響は、体や心の傷を作ることに留まらず、人間関係の構築能力に大きなダメージを与える可能性があります。例えば、常に親からの暴力に苛まれていた子どもは、自らの身を守るために常に周囲の人から距離を置くようになったり自分の感情があたかも存在しないかのように振る舞ったりすることがあります。

子どもの自己肯定感を低下させる“愛情の不在”


こうした状態が続くと、周囲に冷徹な印象を与えたり、ふとした時に感情を制御できずに、怒りを爆発させたりするようなことが起きてきます。それは、信頼できる人間関係を築くことを難しくし、人生から得られる多くの喜びを奪うことにもなりかねません。

また、周囲の人たちから受け入れられないことで、ますます自らを肯定することが難しくなり、それは学業やその他の能力を伸ばす上で大きな足かせとなる可能性があります。

それはあまりに辛いことではないでしょうか。

しかし、周囲の人たちの気持ちを解さないような行動を取るとき、そもそもの原因が子ども時代に受けた暴力や不安定なアタッチメントの形成に起因しているなどを周りの人は知る由もないですし、たとえ知ったとしても、「だからしかたがないといってやさしくしできるわけでもありません。

著者のSue Gerhardt。映画製作に携わったのち、
現在はOxfordでプライベートな心理療法士をしている。

子どもは子どもで、気に入らない相手には時に残酷な態度を取るものですし、いい大人になってしまえば、何かにつけてそれとなく人から避けられるというようなこともあるでしょう。

このように、子どもへの暴力や愛情の不在は、心や身体への傷を残すだけでなく、人が実りある人生を歩んでいくために必要な土台を崩してしまうのです。そして、それを後から作り直そうという努力は、あまりに大きな心の痛みや苦労を伴うものであると思います。

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