2014年7月26日土曜日

児童養護施設の夏休み


最近どんどん暑くなってきておりますが、皆さん如何お過ごしでしょうか?

さて、児童養護施設ももうすぐ夏休み。ということで、施設では夏休みにどんなことをしているのか?逆に、普段はどういう生活をしていて、職員は何をしているのか?今回は、そういったことを紹介していければと思います。

皆さんもご存知のとおり、児童養護施設は、家庭の役割を果たすところです。未だに養護学校と思われている方も多く、「障害のお子さんがいらっしゃるんですか?」と聞かれることがよくありますが、基本的には、養護・家庭機能に恵まれないお子さんを施設が代わって養護しており、当然、子どもたちは、普段は地域の学校に通っています。

子どもたちが学校に行った後は、幼児さんだけが残り、職員はこの時間を利用し休憩を取っていますが、交代や引継ぎ、施設内の掃除等やるべき業務も多く、実際は、多くの職員が断続勤務をしています。その断続勤務が夏休みになると、更に厳しいものになるんですね。


施設のCWが子どもたちに伝えたい思い


いよいよ夏休みが始まりますが、普段は学校に通っている子どもたちも、毎日施設にいることになります。子どもたちの夏休みの過ごし方は一般家庭の子どもたちと同じような感じです。朝はラジオ体操に始まり、学校の宿題や工作、学校のプールなどに日々追われるわけです。
 
そんな中でも、夏休み期間中に旅行を計画したり、「三日里親事業」と呼ばれる一般家庭の体験、お盆期間に休みを取れたりする家庭は、子どもが家庭に一時帰省するといった行事も多くあります。夏休みの終盤が近づくと、どこの家庭も一緒だと思いますが、施設の子どもたちも学校の宿題を終わらせるのに苦労していますよ(笑)。

職員はというと、日中取れていた休憩時間も、夏休み中は取るのが難しくなり、勤務体制を組むのに苦労しているのが実状です。残念ながら、私たち職員にとっては「夏休み」は夏休みではないのです。

そう言うと、施設の職員は、夏休みが来ないで欲しい!なんて思っているのか!?と勘違いされてしまいそうですが、実際は私たち職員にとっても、夏休みは非常に待ち遠しいものなのです。というのも、夏休みは子どもたちにとって、多くの思い出が残せる大切な時期だからです。海や山、キャンプ等、子どもたちと一緒になって遊べるイベントを積極的に企画し、そういった機会を利用して子どもたちに日頃の私たちの思いを伝えたりしています。

思いとは、一人ひとりの子どもたちが大切な存在であること「あなたが好きですよ、大切ですよ、ここにいていいんだよ」というメッセージのことです。


施設を卒業した子どもたちとの関係性を育む「夏休み」


と言っても、日頃は戦いの部分も多くて、子どもたちと一緒に遊んだり、何か出来るように励ましていたりすると、どうしても職員も疲れてしまいますが、エネルギーを分け合って、助け合うことでお互いの信頼関係が強くなり、子どもにとっても、職員にとってもお互い特別な存在となるのです。そういった意味で、私たち職員にとっても、「夏休み」の存在は大変貴重で、子どもたち以上に待ち遠しさを感じているのです。

児童養護施設は基本的に、2歳~18歳の児童を養護する場ですが、施設を卒業した子どもたちも、私の中では特別な存在となっています。それは何故かというと、夏休み等の長期休暇を使って、一緒に遊ぶことで心と心のコミュニケーションを図ってきたからなのですね。そこで培った絆は、彼ら彼女らが卒業しても簡単に切れてしまうものではないのです。もう直ぐ待ちに待った「夏休み」!子どもたちたちと一緒に何をしようかウキウキしながら考えています。

先日は、天気はイマイチでしたが、七夕を施設でも催しました。少しばかり竹を用意して、子どもたちも職員も一緒になって願い事を書きました。思春期にさしかかった小6の男の子は「お母さんにアイスを買ってもらえるようになりますように…」と書いていました。小6の男の子の願いとして切ないものを感じますね。私たちは、こういった思いを受け取って、その子にとって良いことを今後もやっていかなくてはならない、何とかしなければ…と改めて思うのです。


次回は、この七夕の様子や子どもたちの思いなどについて、もう少し詳しく書いてみようと思います。


“子どもの貧困”の現状と今後を考える「Chance Maker Hour」のご案内



私たちLiving in Peaceは、機会の平等を通じて、貧困の削減を目指す事業を運営する認定NPOです。この度、これまでに私たちが知りえた問題の現状と問題解決の仕組み、そしてその今後についてお話する機会「Chance Maker(チャンスメーカー) アワー」を企画しました。

Chance Maker(チャンスメーカー) アワー」では、いわゆる“子どもの貧困”の実態を踏まえたうえで、児童養護施設の現状や、私たちLIP教育プロジェクトが運営している事業内容、パートタイムNPO(他に本業を持つメンバーで運営されるNPO)の具体的な活動、所属メンバーがLIPに入ったきっかけ等についてお話させていただきます。

【こんな方の参加をお待ちしております】
  • “子どもの貧困”に関心のある方
  • 児童養護施設の現状に興味のある方
  • パートタイムNPOの活動に興味のある方
  • Living in Peaceの活動への参加に興味のある方
  • どんなメンバーが活動しているのかに興味のある方
上記以外についても、少人数の会であることを活かし、当日はみなさまとの質疑応答の時間を多く設けていますので、なんでも質問してみてください。

<開催概要>
◆日時:8月16日15:20-16:50 (受付開始時間:15:10)
 ※会場の都合上、受付開始時間後にお越しください。
◆場所:AT-Garage 東京都港区新橋6-18-3 中村ビル
   http://ow.ly/jEkMH
   http://www.facebook.com/atgaragepjt
   ※御成門が一番近いですが、新橋や浜松町/大門からのアクセスも良いです。
◆定員:10名程度
◆参加費:無料
◆参加申込フォームはこちら

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